【Web執筆コンテンツ】
□ 2019年6月号 販促会議 執筆
   「ネット通販は「マーケティング機能」に消費者の信頼獲得とルール整備を」


<中山茂のコンサルティング方針>

32年間カタログ通販、ネット通販、通販の店舗連携、ショッピングモール構築、百貨店Web事業責任者など小売り業でのクライアント側にいた私ですが、今では立場を180度変え、私自身がコンサルティングをしている立場となりました。

ところが実はクライアント側にいた時はコンサルタントの方とのプロジェクトに「会心の出来」だった記憶や印象が見事にありません。もちろん、プロジェクト終了時には充実感はあったものの時間が経つとともに「あの時の費用と時間は有効に使えたのだろうか?」と思い起こすと、そのプロジェクトの効果が持続したケースは少なく、不完全燃焼感が多かったように思います。

ところがコンサルティングの立場になってみると、あの時の違和感の原因がわかったような気がするのです。こういう現象になる原因としては主に2つ考えられます。

1、コンサルティングが修正不可避な実行フェイズまで担保されていないケース

コンサルの初期打ち合わせでは今の問題点を解決して本来目指す「あるべき姿」に関してやりとりをします。あるべき姿の共有は非常によいことですし、それはほぼ間違った姿ではありません。コンサルティングの立場からするとあるべき姿に向けてKGIとKPIを明確にしながら戦略の方向性を具体化して施策も含めてわかりやすく資料にまとめるまでが仕事の範囲と考えますが、クライアント側は実は方向性が決まったあと実動させてこそスタートになるわけです。まとめた理論や施策が実践ではすべて上手くいくわけではないですから、そこで自力で修正できず迷走した場合悲しいかなすでに退場しているコンサルタントに不満の矛先が向いてしまいます。

2、直接的な課題解決に集中しすぎて本質的問題解決になっていないケース

こちらは逆に何をどう解決して欲しいのかがかなり具体的にクライアントからコンサルタントに示されるケースです。こういったケースでは成果物も可視化しやすく現実的に課題が取り除かれることが多いのですが、致命的なのは目の前の課題があまりに直近すぎて実はその課題を引き起こしている本質的な問題(真の病巣)が取り除かれていないために同じ様な課題が再度持ち上がるケースです。

さて、この要因を両方の立場で理解している私がやるべきことはなんでしょうか。現場での現実的な制約に真摯に向き合って、なおかつあるべき姿とそれに至るまでの過程と手法をできるだけ具体的に一緒に導きだし、最後に控えている本質的な問題解決まで並走していくことが本来のコンサルタントの役割だと思っています。そしてコンサルタントのゴールはクライアント様に「もうお手伝いいただかなくても自力でできるようになりました」と言ってもらうことではないでしょうか。

また、正論、理想論はいくらでも言えますが各企業様にはいろんなそれぞれの事情があるのも理解しています。

・正論を理解できても具体案まで昇華できない
・いままでの成功体験が文化的にITとの連動の足を引っ張っている
・現段階での予算と人手(リソース)に限界がある
・部署として今期の結果を求められていて理想構築までの道のりが遠い
・やるべきことが多すぎてどこから手をつけてよいやらわからない

実際は理想通りことが運べるわけではありません。現実でいうと上記のように山のような制約がそれぞれの企業様にあり、最初からあるべき姿へのシナリオが明確に書けるわけでもありませんし、それ以前にロスなく実行することはかなり困難です(現実的な障害は外部ではなく社内にあることがほとんどです)。

全体での総合改善が現実的に難しいとしても、どこからかは切り崩していかなければなりません。ではどこから切り崩すか?私は経営者レベルからでも現場レベルからでも「一部であっても危機感をもって問題意識がある人達」で切り崩してゆくのが一番効果的と感じています。やらされ仕事ではなく自分に与えられたミッションに経営も現場も関係なく乗り越えようとしいている方と一緒に部分に表面的な対処療法ではなく本質課題を深堀りしてひとつひとつ真摯に向き合うことを継続する。そのことによって部分最適の集合体にならずにあるべき姿への「糸口」「第一歩」「突破口」にしてゆかねばならないと思っています。